阪神大震災での貯水タンクの被害

平成7年1月に発生した阪神大震災では、多くの建物と設備が被害を受けました。
当然ながら多くの貯水タンクも破壊されて機能が停止しました。

小型のFRP一体型タンクの受水槽の破壊された写真です。
上からなにかで押しつぶされた様な壊れ方です。

大型のFRP一体型受水槽の破壊された写真です。
これも小型のものと同様に天井部をなにかで押しつぶされた様に壊れています。

FRP球形タンクの高架水槽が破壊された写真です。
下から突き上げた様に潰れています。

これもFRP球形タンクの高架水槽です。
設置状況や高さが違っても同じように下から突き上げた様に潰れています。

FRPパネルタンクの受水槽の破壊された写真です。
FRPパネルタンクは多くが天井部を破壊され貯水が不能になりました。

こちらはFRP一体型の高架水槽の破壊された写真です。
タンクの形状は異なっても破壊のメカニズムは共通したものがあります。
それは阪神大震災が直下型の地震で非常に強い縦揺れであったという事です。

地震の強さは水平加速度をガルと言う単位で表し、震度7で400ガル以上とされています。
阪神大震災は神戸市の中心から西宮市にかけて、600ガルを超えており関東大震災の2倍程度の揺れだったとの見解もあります。
しかし関東大震災では地震計によるデータはまったくなく、当時の被害の状況から300~400ガル程度と推測されています。

阪神大震災は直下で活断層が動いたことから縦揺れがこの水平方向への揺れに加わり想像を絶する破壊力となって、建物の倒壊や設備の破壊につながりました。

タンクは中に水が入ってたので、縦横にシェイクされた状態でタンクの内圧が上がり、その内圧に天井が耐えられなくなって水柱が立つようにまず天井が抜けてしまったわけです。これをスロッシング現象と呼びます。
その次に天井が抜けてしまったために側面が水圧に耐えられなくなって、外に倒れて破壊したのです。
特に古いタンクほど、もともとの構造上、水圧で外に開こうとするタンクの応力を天井部自体で支えているものがほとんどです。さらに古いタンクは経年で劣化し、強度が低下しているので尚更です。

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