なぜ貯水槽劣化診断が必要なの?
FRP製パネルタンクとは
開発当初、半永久的に強度が落ちない夢の素材として作られたFRPですが、長い時間によって、劣化することが分かっています。
- 1. 天板
太陽光が直接当たるような場所に設置してあるタンクは要注意!紫外線により劣化し強度が低下したり、パネルの隙間から雨水が浸入してしまう事により飲料水が汚染されてしまいます。また、地震に対して弱くなります。 - 2. 気相部ボルト
気相部(水面から上)にあるボルトは錆びにくいとされるステンレス製であっても必ず錆が発生します。錆は水滴に混じり飲料水を汚染していきます。 - 3. パネル接合部
水槽パネルの間はパッキンを入れてボルトで接合されています。長期に亘る貯水圧で、パネルやパッキンが劣化し漏水の原因になるばかりか、水槽の強度が低下して水槽が破裂することも・・・!
コンクリート製タンクとは
コンクリートは本来、強度を保持するためには強いアルカリ性でなければなりませんが、様々な要因によってだんだん中性に近づいていきます。
この現象を中性化というのですが、中性化するとコンクリートとしての強度が低下します。そして、組成材である砂利や砂が脱落してしまいます。
この状況になると表面から水が浸透して内部の中性化が進んでしまいます。
水槽内部では表面がザラザラになり良く洗えませんし、奥に微生物の巣が出来る等の問題が発生するだけでなく防水層がおかされることによって外部から汚れた水が浸入してくる危険性が増します。
貯水槽各種劣化診断ケース【内部】
貯水タンクが5年経つと・・・
貯水タンクは設置した時から紫外線・水・消毒剤である塩素等により劣化が進行していきます。
劣化の進行はとてもゆっくりですが確実に進行します。
劣化の進行を止めるためには定期的な清掃時に劣化診断をして、劣化に対する適切な処置を施していかなければいけません。
又、劣化が進行したタンクは強度が低下していますので、強い地震が発生した場合破壊されてしまう恐れが強くなります。
気相部ボルトの錆の発生
気相部のボルトが金属で出来ているタンクは要注意です!
気相部とは水槽の内部で水の入っていない水面の上の部分のことです。
ここに取り付けられている組立ボルトは、常に湿度が高いだけでなく水道水に含まれる消毒剤の塩素によって例えステンレスのボルトであっても急激に錆びて腐食していきます。
更に放置するとFRPパネルタンクはボルトの締結によって組み立てられています。
気相部(天井部)のボルトが芯まで錆びてしまうとパネルとパネルの間が開き小さな地震等の衝撃でもタンクが破裂する危険が高くなります。
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PTSリユース工法オリジナル PTS防錆キャップ
(社)全国建築物飲料水管理協会認定商品O-001号
(特許第2114472号)
PTS防錆キャップは空気抜きがあるためタンクの組立ボルトと充填材・充填材と防錆キャップが密着し、中に空気層がなくなるので錆が発生しなくなり、脱落する危険性も有りません。
この防錆キャップは、温度変化によるキャップの脱落・脱落したキャップによる断水事故が起こることがない唯一の防錆キャップです。
タンク内の汚れ・藻の発生
貯水槽は一年に1回以上は清掃しましょう!
タンクの内部は日頃見ることはありませんが、日々の使用により水垢等が徐々にたまり汚れていきます。そのまま放置するとヘドロのような汚れが一面にこびり付いてしまいます。この汚れに微生物が繁殖し、衛生的にも大変悪い状況になってしまいます。法律・条例でも貯水槽の清掃は義務付けられています。
また、天板パネル・側面パネルが劣化するとタンク内部に日光が透過してしまうようになり、槽内の水に藻が発生する危険が大きくなります。
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貯水槽専用洗浄液「PTシャイン」
コンクリート製水槽の鉄筋露出
天井部の鉄筋が見える!この写真の様になったら要注意です!
コンクリート製水槽は水道水中の消毒用の塩素によりが中性化が進みます。そうなると、コンクリートの表面が剥離してしまい、鉄筋が剥き出しになります。鉄筋は鉄で出来ていますから、消毒用の塩素と反応して錆が進行していきます。コンクリートの中性化が進むと本体の強度が落ちたり、水が汚染されてしまいます。
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RC全面ライニング工法
FRPを壁面に積層することにより、FRP製タンクを中にはめ込んだ形になりますので、強度も上がり、大変衛生的な状態になります。密着工法のためコンクリート表面との境界に隙間がないため結露などによる剥離が起きることも有りません。
内部補強材の腐食
補強材が腐食している!そういう状況になったら要注意!
補強材とは、貯水圧によってFRP板が破壊する現象を防止するためタンクの内外部でパネルを強化する働きをする物です。内部補強材は一般的にステンレス材が使用されています。ステンレスは水中にあると空気と触れることが無いので錆びないのですが、気相部で空気にさらされると、ステンレスであっても錆びていきます。
腐食した補強材はタンクの形状を保持する働きが出来なくなりついには破壊されてしまいます。
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内部補強材取替
内部補強材は付いていれば安心というものではありません。
誤った取り付け方法によっては、パネルに局部的な負荷をかけてしまうことで、タンクの変形によるクラックそして漏水の原因となります。
PTSリユース工法では、タンクの構造から力学的に効果のある適切な補強材を作成して取り付けます。
補強リブ破損
一体成形型タンクが変形してきたら要注意です!
FRP製一体成形型タンクは、その構造から全体に水圧を分散し壊れにくい構造になっています。 内部に補強用のリブがありますが経年劣化により、側面の強度が落ちて、リブに過大な負荷が掛かり、リブが変形・破壊されてしまうことになります。
タンクの一部に異状な応力、クラック、水漏れが発見されるとタンクが破壊する恐れがあります。
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内部全面ライニング工法
内部に隙間無くライニング面を作ることで、強度が増すだけでなく、変形・破損したリブの補強・補修を行うことが必要です。劣化したFRPを強化するとともに、表面が平滑になり清掃が効率的に行うことが出来るようになります。
コンクリート製水槽内壁の劣化
モルタルが劣化して表面がザラザラしている!この写真の様になったら要注意!
新幹線トンネルや高架橋等のコンクリート剥離といった事故がよく取り上げられています。 コンクリートの劣化の原因は大気中の二酸化炭素・塩害・アルカリ骨材反応など様々ありますが、貯水槽の場合、特に水道水中の塩素分により劣化が進みます。劣化したコンクリートは、組成材である砂や砂利が脱落しやすくなっています。
更に放置したままにしていると、劣化はどんどん中に進行して、鉄筋までも腐食してしまい地震などの災害時に破壊される恐れがあります。
また、コンクリート表面に凹凸が多くなると、雑菌などが繁殖しやすくなり、衛生的な状態を保つことが難しくなります。
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RC全面ライニング 抗菌トップコートブルー
RC全面ライニング工法を施した後、抗菌トップコートブルーを塗布します。抗菌トップコートブルーは美しい仕上がりだけでなく、特殊加工によって抗菌性があり菌を寄せ付けませんので、長期に渡り安心してご使用いただけます。
貯水槽各種劣化診断ケース【外部】
貯水タンクが5年経つと・・・
貯水タンクは設置した時から紫外線・水・消毒剤である塩素等により劣化が進行していきます。
劣化の進行はとてもゆっくりですが確実に進行します。
劣化の進行を止めるためには定期的な清掃時に劣化診断をして、劣化に対する適切な処置を施していかなければいけません。
又、劣化が進行したタンクは強度が低下していますので、強い地震が発生した場合破壊されてしまう恐れが強くなります。
架台劣化
架台に錆が見える!この写真の様になったら要注意です!
架台はタンクを支える最も重要なものです。
気を配った管理をしていないと、タンクからの漏水・結露などの水分により錆が発生し、どんどん腐食していきます。
長年放置して錆て腐食が進行した架台は、少しの異常な圧力で本来の強度を保てないため、タンクが破壊する・重大な事故につながる危険性があります。
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架台塗装
耐久性の高い塗料で塗装することで空気・水分から遮断して錆の進行を止めます。
強い塗膜を形成することで耐久性が良くなります。
側面FRPパネル劣化
手にザラザラした粉が付く!この写真の様になったら要注意!
そもそも、FRP板はガラス繊維に樹脂を含浸させて作ったプラスチック製品です。 紫外線で樹脂が劣化分解されてくると写真のように手で触れると白い粉が付きます。 樹脂が減ってくるわけですからもちろん強度が落ちています。
更に放置すると、表面から樹脂分が無くなりガラス繊維がキラキラ光って露出してきます。
こうなると中まで日光が通るようになり、FRP板の内部まで劣化が進むことになります。
劣化が進むとFRP板は弾力が無くなり、ヒビ割れ(クラック)が発生します。ヒビ割れが大きくなると漏水し、地震などの衝撃でもタンクが破裂する危険があります。
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劣化防止コーティング工事
表面に露出したガラス繊維を抑え飛散を防止する強い塗膜を生成します。
それだけではなく耐候性・低汚染性に優れFRP板を太陽光による劣化の進行を抑えることができます。
天板FRPパネル劣化
天板のガラス繊維が見える!この写真の様になったら要注意です!
天板部パネルは側面部パネルに比べて直射日光にさらされている時間が長く当然、劣化の進行が側面パネル部より早くなります。また、天板の接合部のパッキンの止水能力が低下して、タンク内に雨水が侵入してしまいます。こんな状態のままでは、衛生的な水を確保できていると言えなくなります。
更に放置すると・・・
天板部パネルは単に雨水の浸入を防止するためだけではなく、貯水圧によるタンク側壁の広がりを止める役目も果たしています。そのため天板部パネルが劣化してクラック(ひび割れ)が発生してしまうと、タンク全体が破裂してしまう恐れがあります。
解決策へ
天板ライニング・外部劣化防止コーティング工法
天板部パネルが劣化したタンクは様々な危険が大きくなります。天板部を樹脂ライニング補強することは、強度の回復だけでなく雨水の浸入を防止し耐震性の向上にもつながります。
さらに「リユースTコート」でコーティングすることで耐候性や汚れ防止の効果もあり、いつまでもきれいなタンクに保つことができます。
パネルタンク接合部からの漏水
雨も降っていないのに側面や架台が濡れている!こうなったら要注意です!
タンク内の水は常に入と出を繰り返して水位は上下しています。つまりタンクを構成しているパネルにかかる貯水圧は一定ではないのです。そのため、タンクは呼吸するかのように動きます。この動きによって生じる隙間を埋めるために、パネルとパネルの間には特殊なパッキンが入っています。このパッキンが経年劣化してしまうと、水が漏れることになります。
最初は表面が湿っている程度でも貯水圧により漏水箇所が拡大して行きます。そうなると水道料金を無駄にするだけでなく、塩素を含んだ水道水がタンクの組立ボルト、補強材、架台等を腐食させタンクの強度が低下し、ついには破壊してしまう危険が大きくなります。
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接合部ライニング工法
パネルとパネルの接合部にライニングを施すことは漏水を止めることだけではなく、パネル同士が一体化することによって強度が増し、新設時の強度を上回るタンクへと生まれ変わるのです。震災時にパネルタンクは接合部のボルト部がちぎれて破壊されました。この補修工事を施すことで地震に強いタンクに生まれかわるのです。
天板FRP劣化(クラック発生)
この写真の様になったら緊急事態です!
天板パネルの強度は貯水タンクの強度に直結しています。
なぜならば貯水圧によって外へ広がろうとする側面パネルを支える役目も果たしています。
しかし天板パネルが劣化して強度が低下してしまうと、まずクラック(ひび)が入ります。
クラックが入れば側面パネルが水圧によって膨らみができ、写真の様に亀裂が入る事になります。このまま放置すると、雨水が浸入し、水が汚染されるだけでなく、亀裂が大きくなっていき、ついにはこの様にタンク自体の崩壊につながってしまいます。
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天板トップステー設置
リユース工法ではまず天板に樹脂ライニングを施すことで、天板のクラックの補修および天板全体の強度を補強します。次にリユースTコートをコーティングすることで耐候性と耐汚染性を向上させます。
また、場合によって補強材を天井部に取り付け耐震強度を更に引き上げます。
数多くの貯水槽のデーターをもとにして、劣化したタンクの復元をしています。
天板劣化落ち込み
天板に水が溜まる!この写真の様になったら要注意です!
天板部は直射日光にさらされると、劣化の進行が一番顕著に表れます。劣化すると天板自体が落ち込んでしまい、天板に水が溜まるような現象が見られるようになる場合があります。
調査時に水が溜まってないようであっても、この様な汚れが付いていれば、タンク内に雨水が浸入している恐れがあります。
解決策へ
天板落込補修例
天板の落ち込みという現象は様々な要素が絡み合っています。
“ 一概にこの工法で出来ます ” というわけにはいきません。
是非、当社までお問い合わせください。
貯水槽の健康診断である劣化診断は専門的な知識が勿論必要ですが、まずはその「健康度」を知ることで貯水槽の現状を把握してみましょう。