FRP貯水タンクの補強方法

FRPパネルタンクのリユース工事 完成

いよいよ最終段階です。

天井部に付いているFRPパネルタンク内部への空気の流出入の役目を果たしている通気管も、経年劣化していましたので新品のものに交換しました。

新・旧の通気管 網が破れて衛生的にも良くないので新品と交換中

最終的に念のために天井部が2度と開かないようにステンレス製の補強材を取り付けました。
強度はFRP樹脂ライニング工事で十分なのですが、より地震のスロッシング現象に強くなるようにステンレス製の補強材を取り付けました。
これで間違いなく新品のタンクより強くなりました。

今にも壊れそうだったあのFRPパネルタンクが新品の様に生まれ変わりました。
FRPパネルタンクの弱点の部分を補強しているので新品のタンク以上の強度は間違いないです。

この図の様にFRPパネルタンクをPTSリユース工法で内外部から補強した場合、タンクからの漏水について10年保証をしています。これはPTSリユース工法の自信の表れです。

建物がある間はFRPパネルタンクを取り替えずに使い続けていただけます。しかも強度が新品タンクもしくはそれ以上になっていますので、いつ如何なる時も安定的に「安心・安全な水」をお使いいただけるようになりました。

これでもう安心です。ここまでしてもコストはタンクの取り替えに比べ半分以下です。
お客様の喜ぶ顔が私達の原動力です。

FRPパネルタンクのリユース工事 その4

FRPパネルタンクの強度はすっかり新品以上になりました。
せっかく新品以上の強度になったので見た目も新品の様にならないといけません。

錆で腐蝕した平架台の状況

まずFRPパネルタンクを支えている平架台が錆ています。
このまま錆が進行すると平架台の強度が落ちて変形して、上に乗っているタンクに悪影響を及ぼします。錆が進行しないようにする必要があります。

平架台全体に錆止め防食コーティング後の様子

平架台全体に錆止めを塗布しました。これで錆の進行を完全に止めます。平架台の腐蝕が進行するとFRPパネルタンクが変形して2次的な要因でタンク破裂に繋がります。

アルミペイントを丁寧に塗布している様子

錆止め塗装の後、平架台全体をアルミペイントで塗装します。アルミの強力な皮膜がさらに平架台を錆から守ります。

錆止め塗装後、アルミペイント塗装完了後の様子

平架台の表面に腐蝕に強い強力な皮膜が完成しました。ほら、ピッカピカで見た目にも新品の様になりました。

外部劣化防止コーティング工事の施工中の様子

次にFRPパネルタンク本体にも塗装を施します。FRP水槽専用の塗料(PTSリユースTコート)を刷毛とローラーを使って丁寧に塗って行きます。

外部劣化防止コーティング工事の2回目コーティング中の様子

全体にコーティングした後、2回目も同様に丁寧にコーティングして行きます。
専用塗料のPTSリユースTコートには耐候性・耐汚染性・耐酸性・防藻性等の特徴があり、夏場であっても水温の上昇を防ぎ、安心・安全な水に保ちます。

全体に外部劣化防止コーティング工事を施した後は、見た目も新品の様にピッカピカになりました。
その様子は次回へ続く・・・。

FRPパネルタンクのリユース工事 その3

FRPパネルタンクを外部から補強して行きます。
まず天井部を補強します。
500mm幅×1,000mm長のガラスマットにポリエステル樹脂を染み込ませて、天井部に貼り付けて行きます。

外部天井部FRP樹脂ライニング工事

500mm幅×1,000mm長のガラスマットにポリエステル樹脂を染み込ませて入る様子。
この作業を2回繰り返しガラスマット2枚積層のFRP樹脂ライニングを施します。
これで天井部のパネルの継ぎ目がなくなり、地震のスロッシング(液面揺動)にも強いタンクに生まれ変わりました。また雨水等がタンクに入ることもありません。

側面部にもFRPを貼り付けて行きます。
このパネルタンクは水温を一定に保つために保温構造になっています。側面のFRP板の上に保温の為に保温材が付けてあり、それをカバーする化粧板が側面を覆っています。その化粧板が経年で劣化して割れています。
化粧板を取り替えると言う方法もありますがいずれまた割れるので今回はガラスマット1枚でFRP樹脂ライニングを施し、今後割れが発生しないようにしました。

外部天井部FRP樹脂ライニング工事の施工後の様子

ガラスマット2枚積層で厚み約2mmのFRP樹脂ライニング層が天井部を補強しています。上に乗ると頼りなく、フワフワしていた天井部が、上に乗ってもびくともしなくなりました。

側面部もFRP樹脂で補強されたので、化粧板が割れる心配もなくなりました。
これでタンクの強度は新品同様もしくは新品以上になりました。

強度は新品以上になっても見た目が悪くてはいけません
お次は見た目も新品以上に致します。続く・・・。

FRPパネルタンクのリユース工事 その2

まずは内部の補強からスタートです。
130mm幅×1,000mm長のガラスマットにポリエステル樹脂を染み込ませて行きます。同様のことを合計3回繰り返してガラスマット三枚重ねにポリエステル樹脂を染み込ませたものを施工部に持って行きます。

ガラスマットにポリエステル樹脂を染み込ませている様子

サプライマー塗布したパネル接合部にこのガラスマットを貼り付けて行きます。
この内部パネル接合部FRP樹脂ライニング工事を側面部と底面部の全ての接合部に施しました。
パネルの継ぎ目がなくなりパネルタンク内部が一体になるので強度が大幅にアップします。さらにパネルタンク内部の継ぎ目がなくなるので漏水の要因もなくなります。

パネル接合部にポリエステル樹脂を染み込ませたガラスマットを貼り付けている様子
内部パネル接合部FRP樹脂ライニング工事の施工後の様子

次に内部天井部(気相部)の組立ボルトが錆びていたのでPTS防錆キャップを取り付けしました。
PTS防錆キャップを取り付けるとボルトを真空密閉状態に保つので酸化現象である錆の進行を止め、強度も保ちます。
さらに貯水内への錆片・錆汁の落下を防ぎ、貯水を衛生的に保てるようになりました。

内部気相部ボルト防錆キャップ取付工事の施工中の様子

内部パネル接合部FRP樹脂ライニング工事と内部気相部部ボルト防錆キャップ取付工事が完了したところです。内部からの補強で天井部の割れもほとんど目立たなくなりました。

ほら!あんなに割れて酷かった継ぎ目もほとんど分からなくなりました
でもこれで終了ではありません。
お次はFRPパネルタンクを外部から補強し、さらに強くて安心・安全なタンクに生まれ変わらせます。

FRPパネルタンクのリユース工事 その1

ある日設備管理会社から緊急で電話がかかってきました。
「FRPパネルタンクの天井部が裂けて破裂しそうなんだけど、どうしたらいいだろうか?」

今は便利なもので状況を携帯電話の写真添付ですぐにつかめました。
天井部が経年で劣化して水圧の負荷に耐えられなくなって割れて開いているのでした。

すぐに水位を下げてもらい、破裂しないように角材で支えをしてもらいました。
翌日現状の下見をして大至急、補強・補修の見積を出しました。

天井部の側面部との継ぎ目が10cmくらい開いて今にも破裂しそうな感じでした。
角材で支えて何とか凌いでいる状態です。

パネルタンク内部はと確認すると外補強方式のパネルタンクでありながら内部の天井部に補強梁(ハリ)が入っていません。

この写真の左側に写っているのが内部天井補強梁です。この補強梁が全ての天井継ぎ目に入ってないといけないのですが入っていません。つまり梁が入っていないところは水圧の負荷が全て天井のFRPにかかっていると言うことになります。
だからその水圧の負荷に耐えられなくなった継ぎ目が裂けている訳です。

負荷がかかって割れている部分をタンク内部から確認した様子です。水圧の負荷がかかって継ぎ目にひび割れが発生しています。今にも破裂しそうな危険な状態です。

同様に酷いところは、継ぎ目に沿って大きな亀裂が走り、外の太陽光がタンク内部を照らしています。

ここまで行けば通常であればタンクの取替となる訳ですが、PTSリユース工法であれば取り替えずにこんなタンクでも新品同様に直してしまいます。

その方法は・・・続く・・・