そんな錆でどうするの?PTS防錆キャップがあるじゃない!?

FRPパネルタンクは、FRPパネル板を組立ボルトとナット及びパッキンを用いて貯水可能にした構造体です。
組立ボルトとナットは側面部・底部は、通常タンクの外部にあり、天井部は、その構造上どうしても内部に位置しています。
組立ボルト・ナットは、腐蝕しにくいように、ステンレスやスチール鋼を電気メッキしたもの、亜鉛のドブ漬けされたものが使われています。

タンクには、水の使用量に応じて水道水が給水されます。水道水には、消毒の為に塩素が含まれています。塩素がないと細菌が発生します。夏場に新聞紙上を賑わすO-157(病原性大腸菌)等も残留塩素濃度が0.1ppm以上あれば、1分以内に死滅してしまいます。

水道水が給水された際に、この塩素がガス化して気相部(水面より上の部分)に溜まります。この塩素ガスが、ボルト・ナットの結露で付いた水滴の中に溶け込み、錆びると言う腐食を進行させます。

塩素ガスと水が反応して次亜塩素となり、これがさらに塩素と活性酸素に分離することでボルト・ナットが飛躍的に錆びることになります。
鉄材が錆びると言うのはつまり酸化現象のことなので、酸素の供給量が非常に多くなり、ステンレスのボルトであっても錆びてしまうのです。

平成5年以降に製造されているFRPパネルタンクは、内部気相部ボルトに、防錆ボルト(樹脂皮膜ボルト)を使用する様に義務付けられています(建設省機械設備共通仕様書)
しかし、既に錆びたボルト・ナットを防錆ボルトに取り替えるのは、非常に危険で困難な作業になります。レンチ等の工具が使えない状態まで腐食していると、切断用ベビーサンダーを用いて、ボルト・ナットを一本づつ切って行かないといけないし、パネル本体を傷付ける可能性もあります。さらに施工時間が長時間におよぶのと施工価格も高くつきます。

でも、このまま放置すれば錆片・錆汁が貯水内に落下し、衛生的に良くないし、天井部の強度が場合によっては低下して、タンク全体の強度低下にもつながります。

何らかの対策が必要になります。

そこで登場するのは、PTS防錆キャップです。ボルトの頭側の短いB型とナット側の少し長いN型があります。
PTS防錆キャップの特徴は次の通りです。

   ①簡単な施工で、錆びたボルトを完全に、防錆することが出来ます。
   ②ボルト・ナットを真空密閉状態にするので、錆片・錆汁の貯水内への落下もなくなります。
   ③貯水タンクの清掃時に簡単に取付可能です。
   ④特許商品(特許第2114472号)です。
   ⑤全国建築物飲料水管理協会の推奨品(O-001号)です。

小さなものですから、取付方法が分かるように見ていただきましょう。ナット側には、N型を使います。

PTS防錆キャップに充填剤を必要量注入します。大体8分目位が適量のようです。ボルトの質量によって微妙に変わります。

PTS防錆キャップの頭には小さな穴が開いてます。

最初はその穴を指で押さえて、軽く捻りながら被せて行きます。
これも8分目位被さったところで、穴から指を離します。
さらにゆっくりと捻りながら最後まで被せると、上の写真の様にブチュブチュと充填剤が穴からはみ出してきます。
充填剤がキャップ内の空気と共にはみ出してくるのを確認できれば、真空密閉状態になった証拠です。

はみ出した充填剤を拭き取れば完了です。実に簡単です。

PTS防錆キャップは、ボルト・ナットを真空密閉状態にして、完全に錆の進行を止めるので、錆片・錆汁の貯水への落下も見事になくなります。

「そんな錆で大丈夫?」はい!大丈夫です!、PTS防錆キャップがありますから。

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